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Box Kiteって何?
2002年の凧研究「究極のBox Kiteを作る」より/寺田健太朗

凧は今から2500年ほど前に、中国で誕生した。離れた地域との交信・観測・漁業・測量などの目的で、人間にとっての「道具」として登場した。日本に伝わってきたのは唐の時代(618-907)で、唐からインドシナを経由して伝道師によって伝えられたそうだ。

長い歴史を経て凧が人類に果たした最大の役目は、飛行機の前身になったということである。2世紀の西洋で、アウラス・ゲリウスの書物にすでに「鳥の形をした凧」のことや「飛行機」のことについても書かれているらしい。当時は「マン・リフター」と呼ばれる凧があって、安定した大凧を作り人間や荷物を空に揚げていたようだ。
そして1804年、飛行機の最初の発明者であり航空学史上最も優れた天才と言われたジョージ・ケイリー(1773-1857)が、イギリスの伝統的なアーチトップの凧を取り入れ、カイト・グライダーを作った。これは歴史上最初の「現代的な構成を持つ飛行機」と言われるものだ。1818年には、このカイト・グライダーをさらに改良し、安定したグライダー模型が作られた。

■1853年、W. A. エディガーが世界初の人間を乗せたグライダー飛行に成功。
■1859年、アイルランドの牧師 E. J. コードナーが難船からの人命救助のための凧を考えた
■1887年、フランスのC. ジョベルが更にこれを改良し、救命用の凧を作った。
■1890年、凧を使った空中写真の実験がアメリカとヨーロッパで盛んに行われた。
□1895年、始めてガラスの感光板による空中写真が撮られた。
気象観測用の「箱凧」が活躍を始めたのがこの頃だ。これが、Box Kiteである。
■1900年頃から1920年頃、ローレンス・ハーグレイブのBox Kiteは安定性も良く揚がる力も強く、気象観測にはなくてはならないものだった。この安定性と性能の改良が、後の人類初の動力飛行機へとつながった。
■1903年12月17日、アメリカ・キティホークの海岸で、ヴェルバーとオーベルのライト兄弟が作ったフライやー1号は、12秒間(36m)、人間の操縦による飛行機に成功。
■1906年、ヨーロッパのサントス・デュモンにより220mの飛行に成功。

こうして安定性のあるBox Kiteは、動力(推進力/前に押す力)を得るためのエンジンをつけ「飛行機」として新たに誕生したのである。


そして今ぼくがはまっている「実物大の立体鳥凧」は、Box Kiteの究極の形でもある。・・・と思う(^0^)/
この超安定型のBox Kiteに、操作凧の不安定さを加えて空中で自由自在に操縦してみたいのだ!!
現在、設計中。試作機は、今年夏、初飛行予定!!







<これはBox Kiteの基本形>













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